外国人モデルのオーディションが同じ顔ぶれになりやすい理由

外国人モデルのオーディションについて、
外から見ると「誰にでもチャンスがあり、完全にフラットな世界」に見えるかもしれません。

しかし実際の制作現場では、
オーディションに参加する外国人モデルの顔ぶれは、かなり限られている
というのが率直な実情です。

これは出来レースという意味ではなく、
業界の構造上、自然とそうなりやすい理由がいくつも重なっている結果です。


まず前提として、日本で活動できる外国人モデルは多くない

日本国内で外国人モデルとして活動するには、

  • 日本に滞在している

  • 就労可能な在留資格を持っている

  • 平日の撮影に対応できる

  • 日本の撮影現場や進行を理解している

といった条件が必要です。

この時点で対象者はかなり限られます。
さらに、

  • 年齢

  • 性別

  • 国籍

  • 体型

  • キャラクター

  • 日本語レベル

といった条件が加わると、
実際にオーディションに出せる人数は一気に絞られます。

そのため、
「毎回名前が挙がるモデル」が自然と固定化していきます。


オーディション情報は複数の事務所に同時に届く

多くの外国人モデル案件では、
制作会社やキャスティング会社から、
同じオーディション情報が複数の外国人モデル事務所へ同時に送られます。

重要なのは、

  • どの事務所に所属しているか

よりも、

  • 誰が条件に合っているか

です。

結果として、

  • 最終候補に何度も残るモデル

  • 現場で顔なじみになるモデル

が増えていきます。


広告・映像業界の変化が、モデルの収入構造を変えた

現在の広告・映像業界は、

  • テレビ中心
    から

  • YouTube・Web・SNS中心

へと大きく移行しています。

案件は、

  • 短期

  • 単発

  • スポット型

がほとんどです。

そのため、
有名でもない外国人モデルが、1つの事務所だけで安定して生活費を稼ぐのは難しい
という現実があります。


それでも「良いモデル」は限られている

案件は単発化しても、

  • 平日空いている

  • モデル活動に本気

  • 撮影現場に慣れている

外国人モデルの数は多くありません。

そのため、

  • 良いモデル

  • 使いやすいモデル

  • トラブルのないモデル

は自然と業界内で知られる存在になります。


ここで重要な「招聘モデル」との違い

ここで説明している外国人モデルは、
海外から正式に招聘され、日本での活動や生活が全面的に保障されているモデル
とは全く異なります。

招聘モデルの場合、

  • 海外でもファッションモデルとして活動している

  • 誰が見ても分かる本格的なモデル体型

  • 日本での活動期間・報酬・滞在条件が明確

  • 生活費・滞在費が契約で保障されている

というケースがほとんどです。

このようなモデルは、
そもそも日本国内のオーディション構造とは別枠で動いています。

対象としているのは、

  • 日本にすでに在住している

  • 広告・CM・再現ドラマ・キャラクター案件などで実績を積んできた

  • いわゆる「一般的な日本在住の外国人モデル・外国人タレント」

についての現実です。

これらの外国人モデル・タレントの多くは、
もともとファッションモデルとして来日したわけではなく、

  • 英会話講師として来日した人

  • ワーキングホリデーなどで来日して、日本で生活していた人

  • 留学生として日本に滞在していた人

など、別の目的で日本に滞在していた中で
外国人モデル事務所に登録し、
「日本で外国人モデル・タレントとして活動できる」という可能性を知り、
その後も継続的に日本で活動したいと考えるようになったケースです。


ビザが関係してくるタイミング

日本で活動している外国人モデルの中には、

  • 現場評価が高い

  • オーディションにも通りやすい

  • しかし、在留ビザの期限が近づいている

というケースがあります。

このタイミングで、

良いモデルだからビザを出してあげよう
せっかくなら、オーディションの駒として
自分の事務所で押さえておきたい

という構想が生まれることがあります。


「他の事務所でも働いていい」仕組みの実態

一つの事務所だけの仕事量だけでは、
有名でもない、外国人モデルの生活費を十分にまかなえない場合も多いため、

  • 他の事務所での仕事は認める

  • ただし支払いは
    ビザを出した事務所にまとめる

という運用がビザを出した外国人モデル事務所から、ビザを与えたモデルに、条件として指示することが良くあります。(これまで、一緒に働いてきた外国人モデルから、急に今後はこのような形になるが良いかと、我々は説明を何度も受けてきました)

その際、

  • ギャラに10%前後の手数料を上乗せ

  • モデル本人にその説明を、他のモデル事務所へさせる

というケースも、実際に存在します。(実際に多くのモデルから、この条件の説明を受けた事があります)

このような仕組みの場合、たとえ外国人モデルが他の外国人モデル事務所を通して仕事をしていたとしても、報酬の支払い先がモデル本人ではなく、ビザを発行した事務所にまとめて支払われる形になります。

そのため外から見ている限りでは、

  • その案件が、ビザを発行した外国人モデル事務所の活動実績として行われている仕事なのか

  • それとも、実際には他の事務所が取ってきた仕事による収入なのか

という区別がつきません。

結果として、すべての仕事が、ビザを与えた外国人モデル事務所の案件であるかのように見え、一つの事務所だけで継続的に仕事をしているように映るという状況が生まれているのではないか、このような運営は本来大丈夫なのかと、以前から疑問を感じていました。

(本来ビザを取った事務所のみで仕事を保証して、生活費を賄う事が出来ると判定されたからこそ、ビザが発行されたのではという常識的な考えがあるからです)


オーディション参加で、セカンドキープが生まれる理由

この構造の中で、
モデルが次のように言われることもあります。

オーディションの話が来たら、
すぐ返事はせず、
一旦セカンドキープにしてください。そしてその案件がまずは我々の事務所にも来るか確認できるまで待ってください。

同じ案件がこっちに来たら、我々の事務所から必ず参加ください。

こうして、

  • 自由に動いているようで

  • 実際はオーディションの駒として
    事前に押さえられている

状態が生まれます。

ビザを多く出せば出すほど、沢山の外国人モデル事務所へ同じクライアントから配られた、オーディションに出せるモデルが増え、
事務所の売上にも直結する、
という側面があるためです。


GAIKEI Models & Narratorsのスタンス

GAIKEI Models & Narratorsでは、
外国人モデル・ナレーターに関する実績の確認・証明は行っております。

一方で、以下のような運用は行っておりません。

  • ビザ取得を条件にモデルを独占すること

  • 他社案件における報酬回収や金銭管理を行うこと

  • オーディション対応や出演可否を当社が一方的にコントロールすること

なお、当社がビザ(在留資格)を取得・手配することは原則として行っておりません。
業務にあたっては、事前に在留資格を厳重に確認したうえで、すでに日本国内で正規に就労可能な外国人モデル・ナレーターのみとお取引をしております。


フェアであることを選ぶ理由

選ばれるモデルが限られている現実は変わりません。
しかし、

  • モデルの自由

  • 金銭の透明性

  • 誰に説明しても納得できる運営

は、事務所の姿勢で守れます。

GAIKEI Models & Narratorsは、

招聘モデルとは異なる
日本在住外国人モデルの現実を理解したうえで
フェアな土俵を維持する

ことを選んでいます。


最後に

本記事は、
特定の事務所や個人を批判するものではありません。

ただ、
外国人モデルとして日本で活動するうえで、

  • どのような構造があるのか

  • なぜ疑問が生まれやすいのか

を正しく理解することが、
モデル本人にとっても、制作側にとっても大切だと考えています。

GAIKEI Models & Narratorsは、
業界の現実を踏まえたうえで、
最も説明できる、クリーンな形を選び続ける
外国人モデル事務所でありたいと考えています。